【教材】植物の観察 「実が出来たよ!」 ピーマンの解剖実験
こんにちは、りんたです。
夏休みも明け、普段通りの生活が戻ってきたわけですが、やはり子どもたちが帰ってくるとにぎやかですね(笑)
夏休みを終え、一か月の時を経て、ついに主役が戻ってきた!
そんなイメージを受けます。
学校の主役は子どもである、改めて実感しました。
大量のピーマン
ある放課後、授業の準備をしていると、低学年の先生方が、授業で余ったピーマンを配布していました。これは生活科で子どもたちが作ったものなのですが、大豊作で余ってしまったので職員に分けていたものでした。
しかし、このピーマン本当にたくさんあり、分けても分けてもなくならないわけです。そんな時、ちょうど私のクラスの理科で「植物の観察 実が出来たよ」という単元をやっていたので、使えないもんかと考えました。
ピーマンの解剖
そこで考え付いたのがピーマンの解剖です。
お料理をよくされる方なら簡単かもしれませんが、ピーマンの中ってどんな風になっているか知っていますか?
知っているようで知らない。私は普段料理はしないので、正直なところどのようになっているか解剖するまでわかりませんでした。
ピーマンの解剖を通して、「植物が成長し、実の中に種ができ、種が地面に落ち、発芽する」このサイクルを学習しようと思い、実践しました。
子どもの反応は・・・。
子どもの多くは、ピーマンの中に種があることは知っていましたが、どのように入っているか、知っている子はいませんでした。
予想をノートに書きましたが、ピーマンの中にぎっしり種が詰まっていると予想する児童もいれば、下のほうに集中していると予想する児童もいました。
実際に、はさみを使って解剖をすると、子どもたちの中から「おー」や「こんな風になっているんだ」といった歓声と驚きの声が聞こえました。
実物を使う大切さ
今回の授業では、実際に本物のピーマンを使いました。
やはり教材はできるだけ実物を用意したほうがいいと思います。
実際に触れ、感じることで、絵や写真だけでは味わうことのできない感動が生まれるからです。
この感動が、子どもたちの記憶に残り、知識が定着するとともに、「もっと勉強したい」「これはどうなっているのだろう」といった、興味関心につながるからです。
さいごに
とは言ったものの、なかなか実物を用いた授業というのは難しいものです。子どもの興味関心がねらいとは別の方向に行ってしまうことも多々あります(笑)
(私の授業力がまだまだ未熟なのも一つの理由です(笑))
たくさん勉強して、私自身成長していきたいです。
ほめる教育は間違っている?「ほめるな」伊藤進(講談社現代新書)
こんにちは、りんた( @rintaed )です。
最近では、Yahoo!ニュースやテレビなどで「教育」に関する記事がとても多く扱われて
います。教育に関する記事を見ない日はないほどです。
それだけ、大勢の方にとって、「教育」は興味関心のあるワードなんだと思うと、嬉しさもありますが、キュッと身が引き締まる思いもあります。
さて、今日ご紹介するのはこの本
伊藤進先生の著書
「ほめるな」(講談社現代新書)
題名を見ただけで、強烈なインパクトが残る「ほめるな」。
「ほめる教育」「子どもはほめて伸ばす」というようなことが広く言われている中で、なぜ、伊藤先生は「ほめるな」を執筆されたのか、本を読んで考察していきたいと思います。
ほめる教育のメリット
今の日本の教育では「ほめる」ことがとても重要視されています。
学生の頃は、耳にタコができるくらい「子どもたちは、ほめて伸ばすべきだ。」と言うようなことを、何回も聞きました(笑)
ネットで調べてみても
「ほめて伸ばすことで、その子の可能性を大いに引き出せることが出来ます。」
的なことが、いろいろな記事で書かれています。
実際現場でも
「子どもはほめて伸ばす。ほめて、価値づけをする。」
ということが言われています。
ではなぜ、ここまでほめる教育が強く言われているのでしょうか?
ほめる教育をすることによって、子どもたちには次のメリットがあります。
- 自己肯定感が高くなる。
- 自尊感情が強くなる。
- 自己効力感が強くなる。
自己肯定感ってなに?
自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。
自尊感情ってなに?
自分には価値があり尊敬されるべき人間であると思える感情のこと。
自己効力感ってなに?
人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことを自己効力感という。
https://kotobank.jp/word/自己効力感-178781
自分に自信を持てる子、自分の存在を肯定的に認められる子
簡単にまとめると、自己肯定感も自己効力感も自尊感情も、自分に自信を持つときの感情を表しています。
かみ砕いて言うなら
「僕にはできる!!」
「私は○○が得意!」
というような感じです。(曖昧ですみません(笑))
これらの感情は、世界的に見て日本人は低いことはとても有名です。
よく言えば日本人の謙虚さがでている。
悪く言えば自信がない。
一般の方でも聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、
「PISAテスト」
という、OECDが行っている世界的なテストがあります。
このテストでは、子どもたちの学力を分析することが出来、国ごとどの能力が高く、どんな能力が低いのかデータを出すことが出来ます。
日本はこのテスト結果で、世界的に見ても非常に自己肯定感(自分に自信があるということ)が低いという結果が出ました。
「謙虚」って私個人的にはとても素晴らしいものだと思います。
自分自身はまだまだ未熟であると考えながら、学び続けていく姿勢。
これは、人として必要なスキルの一つなのではないでしょうか。
しかし、謙虚さと、自分に自信がないことはイコールではありません。
自信がないというのは、自分を否定的に捉え、多くのチャンスを失ってしまっている状態だと思います。
そんなのもったいない。
ものすごいスピードで、世界が変わっていく中で、少しでも立ち止まればおいて枯れてしまいそうになるのに、自分自身が原因で自分にブレーキをかけてしまうのは、とってももったいないことだと思います。
だからこそ、子どもたちの自尊感情、自己肯定感を高めるために「ほめる教育」というものが注目されているのです。
ではなぜ、自己肯定感などを育むことが出来るといわれているのに、
「ほめるな」と伊藤進先生はおっしゃるのでしょうか。
ただほめるだけでは子どもは育たない。
伊藤先生曰く、ただほめるだけでは子どもは成長しないとおっしゃっています。
「ほめれば子どもは伸びる」
「ほめれば子どもはいうことを聞く」
このように、ほめることの本質を理解しないで、ほめることを行うと
子どもたちは、主体性を失い、ほめられるために行動するような
人間になってしまうと言います。
例えば、みなさんの中に、「テストで100点取ったらお小遣いをあげる」というシステムを経験されたことのある方はいませんか?
すくなくとも、友達がそのようなシステムを採用していたと聞いたことがある方は多いと思います。
このように、何かに対して褒美を与え、やる気を出させることを外発的動機付けと言います。逆に、自分から興味関心を抱き、物事に取り組むことを内発的動機付けと言います。
実はこの外発的動機付けが問題なんです。外発的動機付けは、一時的にはやる気につながりますが、長期的にみるとそのやる気は持続しません。また、成長速度も遅く、褒美のために行動することしかできなくなってしまいます。
伊藤先生は、ここ最近強く言われているほめる教育では、この外発的動機付けになってしまい、子どもに成長を促すことが出来ないといいます。
ほめられなければ動かない、ほめられないと行動しない
こんな人が増えたら困りますよね(笑)
教育の真の目的は、子どもの自立にあります。
その目的と照らし合わせると、ただほめるだけのほめる教育では
子どもは育ったとは言えないのです。
どのようにほめればいいのか。
それではどのようにほめれば、真の「ほめる教育」と言えるのでしょうか。
伊藤先生は、「愛情をもってほめることが大切である」と言います。
(本の中では「インタラクティブ支援」と言っています)
一見、「そんなこと当たり前だよ」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、愛情をもってほめることはいざ生活に目を向けると、忘れがちになっていることが少なくありません。
ほめるときは一人の人間として対等な立場からほめることが大切なのではないでしょうか。
「よくできたね、すごいね」と、簡単に伝えてしまうのではなく、心から伝え、伝えっぱなしで終わるのではなく、双方向でコミュニケーションをとることが、伊藤先生の言うほめる教育のあるべき姿なのではないでしょうか。
まとめ
この「ほめるな」には、現代に蔓延する「ほめる教育」に疑問を抱き、
真のほめる教育とはどのようなものなのかが書かれています。
ほめることの本質はどのようなことなのか、具体例も書いてあり、
とても分かりやすいです。
大変勉強になりました。
「教えるということ」
大村はま先生「教えるということ」(ちくま学芸文庫)
この本は日本の教育界伝説のレジェンドである大村はま先生が執筆された本です。
「教えるということ」
とてもシンプルな題名ですが、教育の核心に迫ろうとする気持ちが
ひしひしと伝わってきます。
本のベースは、大村はま先生が講演会をされた時のお話が本になったもので、大村はま先生の教職員生活での経験談が語られています。
私のような若い世代には圧倒的に経験が足りません。
だからこそ、先代の方々のお話や経験談を聞くことによって、自分に消化していくことが必要なんじゃないかなと思います。
教師の仕事
私がはじめてこの本を読んだのは大学三年の時です。
教育関係に携わりたいと決意し、教育について勉強をしていた時にこの本と出合いました。この本を読んだとき、大村はま先生の教師としての歩みに感動し心を打たれたことをとてもよく覚えています。
教師とはどんな仕事なのか、教えるとはどのようなことなのかが書かれており、特に教師の仕事に関しては、「魅力のある教室づくりについて」や「作文の添削の仕方」など、より具体的なことについても書かれています。
作文の添削方法
「作文の添削」ってどのように行うかご存知ですか?
私は、ついこの間まで、漢字を直したり、日本語がおかしくないか確認すればいいと思っていました。でも、なかなか子どもたちに作文力、文章を書く力がついていきません。「どのような添削をすればいいのだろうか」、しばらくの間、もやもやしながらも、今まで通りの添削を行っていました。
そんな時「教えるといこと」に出会い、作文の添削方法が書かれており、読んだ瞬間もやもやしていたものが、スーっと引きました。
この本で大村はま先生が伝えてくれた添削方法は
「子どもの文章を読み、想像し自分だったらどのように表すか共感的に添削する」
というものでした。
例えばある子どもが
「夏休みにプールに行きました。流れるプールに行きました。楽しかったです。」と書いたとします。この文章では、事実が列挙してあるだけで、どのような様子だったのか、どんな気持ちだったのか伝わってきません。
この文章を大村はま先生をまねて添削すると
「夏休みにプールに行きました。とても暑い日でしたが、ひんやりと冷たい水はとても気持ち良かったです。流れるプールでは、水が私の体をぐっと押し、風を切るような速さで進みました。プールから出ると、遊びすぎて少し疲れたけど、とても楽しかったです。」
一見、全然違う分に見えますが、もし自分だったらどのように書くか、を意識して添削するとこのようになります。
子どもはこの添削を見ることにより、表現の仕方や自分の気持ちの伝え方を学ぶことが出来ます。また、国語の学習で大切な「語彙」を増やすことが出来ます。
この方法を実践するようになってから、子どもたちに少しづつ表現する力と語彙力がついてきているなと感じています。
若いときにしておいてよかったとおもうこと。
この本の最後には「若いときにしておいてよかったとおもうこと」というページがあります。これは、大村はま先生が、経験から若い時にしておいたほうがよおいことを記してあります。
その中にの一つに
「うまくいったと思うことを書き残しておく」
というものがあります。
普段の生活の中で、心に残った言葉や、失敗した時の反省、人から聞いたアドバイスなどをノートに書き留めて置く人は多いと思います。
しかし、大村はま先生はこれに加え、さらに「うまくいったと思うこと」についても記しておくとよいということでした。
謙虚な方が多い日本人ではなかなか実践している方は少ないかもしれませんが、成功したことを書き留めておくと、読み返した時に仕事への愛着が深まるそうです。
私はまだそんなにうまくいったことは数少ないですが少しづつ書き記していきたいと思います。
まとめ
私はこの本と出会い数多のことを勉強させていただきました。一回目二回目三回目と、何度も読むとそのたびに新しい発見があります。
もし、教育関係の方で読んでいない方、学生や教育関係の仕事を志している方で読んだことがないようでしたらぜひご拝読ください。
必ずあなた方にとって、忘れられないものになると思います。